【はじめに】  通信の分野が大いに発達し,より遠方の人と情報を交換することが可能になって きています.また,新たな移動体通信機器が次々と現われ,場所にとらわれずに通 信を行うことも少しずつ可能になってきています.

【変調】  通信を行う時,我々が伝達しようとする情報は,遠くまで届く電波などにか たちを変えて送られます.この伝送をさらに容易にするために変調は用いられます.

 情報を表す信号は,高周波の正弦波である搬送波に,その情報を何らかの形で 与えます.この過程を変調と呼び,実際に送られるのは,情報を埋め込まれた 搬送波となります.

搬送波

 ニャンコを搬送波とします.情報を表すパラメータとして,ニャンコのヒゲ の数に注目してみましょう.変調により,4[V]の電圧は左のヒゲ4本のニャン コ,2[V]の電圧は右のヒゲ2本のニャンコとして表すといった具合になります.


 変調を用いる理由としては,

が挙げられます.

 アンテナによる放射に必要なアンテナ長は,放射信号の波長の1/10以上である, と言われています.放射信号は,音声信号などは低周波であり,これを変調せずに 送ろうとすると,膨大なアンテナ長が必要になってしまいます.変調することに より,その害を防ぐことが出来ます.

 信号の同時伝送については,以下の情報理論と織り混ぜながら話を進めていきた いと思います.

【情報理論】  いかなる通信システムの設計においても,情報の伝達をいかに効率良く,い かに信頼性高く行うか,ということは常に考慮されるべきです.それに関する 理論を情報理論といいます.

 電波は,必ず,通信路(あるいは貯蔵媒体)を通過して,受信側に到達します. 複数の情報を同じ通信路を通して送ろうとすれば,それらの情報を意味する電 波を合成したものを受信することになります.従って,情報を同じ時間内に, より多く送るためには,通信路を分割して用いた方がよろしいでしょう.

 何故なら,複数の情報が相互に干渉仕合わないため,信頼性が高くなります. 複数の情報を並列に送ることが出来るため,効率的です.変調を行う ことにより,送る電波の周波数帯を変えることが出来,通信路が分割されます.





【信号の同時伝送・変調を行わないとき】

 3匹のニャンコを箱に詰めて送ることを考えてみましょう.ニャ ンコは情報と考えて下さい.色が違うのは飼い主が別であることを意味します. 箱は,ある限られた周波数帯の通信路です.

 箱の受取主は「どの飼い主がどの箱を 使ったのか」ということだけは知っているものとします(この場合は全員灰色).

 変調を行わないと,どんなニャンコもこの灰色の箱に入れて送ることになりま す.これでは,箱が届いてもどのニャンコがどの持ち主のニャンコか分かりま せん.また,ニャンコが箱の中で喧嘩して怪我などした場合,情報も劣化してしま います.

 




【信号の同時伝送・変調を行った場合】

 そこで,飼い主別に箱を用意してみます.色の違う箱に色の違うニャンコを入 れて送るのです.受取主は,どの飼い主が何色の箱を使ったかは知っている訳 ですから,箱を開けるだけで目的のニャンコを受け取ることが出来ます.

 これで,少なくとも飼い主が,ニャンコを間違って受け取ることは避けられそ うです.ニャンコが箱の中で喧嘩するのも避けられそうです.

 最初のヒゲの例でいえば,旅の途中でヒゲが抜け落ちたり,新たに生えてき たりしない限り,もとの情報を飼い主は得ることが出来ます.

 その代わりに,飼い主(あるいはニャンコ)の数に応じて箱を用意しなけれ ばならないことを覚えておいて下さい.




【工事中(^^;)】

この先工事中です.お疲れ様でした.